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野球のいろいろな成績(本塁打、安打、盗塁...)の能力が年齢とともにどう変化するか調べた

こんにちは。

野球においては、打者の指標がいろいろあります(本塁打数、安打数、盗塁数など)。それぞれが年齢とともにどのように変化するか気になったので、ベイズ推定で調べてみました。詳しい方法やコードについては、本塁打を例にして以下のqiitaに書いたので(↓)、ここではいろいろな成績について結果だけ簡単に列挙します。

qiita.com


qiitaの記事との違い

qiitaの記事では年齢における能力を表す変数$r_{age}$を

$$r_{age}[j] = Normal(r_{age}[j-1], s_{age})$$

としていたのですが、今回の記事では

$$r_{age}[j] = Normal(2r_{age}[j-1] - r_{age}[j-2], s_{age})$$

としています。細かい点ですが、こちらの方が年齢に対する能力の変化がなめらかになります。これは、一番目の式はたとえば30歳での能力が29歳の能力を平均とした正規分布に従うとしているのに対して、二番目の式は30歳から31歳の能力の変化が29歳から30歳の能力の変化を平均とした正規分布に従うとしているためです(適当すぎる説明)。

安打

qiitaの記事に図の意味が詳しく書いてあるのですが、ここでは結果として見るのは右の図の赤線のみで大丈夫です。赤線が、その年齢における平均的な能力の選手がイベントを起こす割合(この図だと安打なので打率)を表しています。

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二塁打

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三塁打

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本塁打

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四球

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敬遠

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死球

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盗塁

盗塁に関しては、単に(盗塁数) / (1塁に出塁した回数)を推定しているのであまり厳密ではありません。

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盗塁成功率

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規格化して比較 & 考察

ここまで画像だけ貼ってきましたが、最後にすべての成績についてピーク時の確率で規格化し、まとめて比較したいと思います。

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なるほど〜。いろいろと面白い点がありますね。

  • 盗塁、三塁打の足の速さが重要な指標については年齢とともに能力が単調減少する。20歳のときと比べて30歳のときだと盗塁・三塁打の確率はいずれも半分くらいになる。
  • 盗塁と異なり、盗塁成功率はほとんど年齢に関係ない。これは、足が衰えてくるとそもそも盗塁を試みなくなるからだろう。
  • 本塁打は安打や二塁打などと比べるとピーク時とピーク以外の能力の差が大きい。つまり、年齢を重ねるごとに安打を打つ能力はそこまで衰えないが、本塁打を打つ能力はけっこう衰える。
  • 敬遠が本塁打や安打などと比べて、もっとも年齢ごとの差が大きい。これは、実力がある選手に対してその実力以上に相手が恐れて警戒していることを意味している(?)。
  • 死球については年齢に関係ないだろうと思って分析していたのだが、実際には30歳前後にピークがあるという結果になった(しかもピーク時とそれ以外で結構差が大きい)。能力の高い打者には攻めが厳しくなり、結果として死球が増えるのだろうか。

以上、よろしくお願いします。