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下校時刻

メモ、読んだ本のまとめメモ、考えたことのメモ、その他のメモなどが書いてあるブログです(twitter: @hoture6)

審判の判定はホーム・ビジターのチームに対して公平か

こんにちは。

少し前、(書名は忘れてしまったが)野球に関する本に、ホームでの勝率がビジターより高いのはファンの応援のせいでもなく、移動がなくて健康状態が良いからでもなく、球場に慣れているからでもなく、審判のジャッジが不公平(ホーム寄り)だからだと書いてあった記憶があります(うろ覚え)。

今日は、審判の判定は本当に不公平なのかを検討してみましょう(本当はそれよりも検討すべきことが人生に100個くらいある)。


審判の公平性をどう調べるか

審判の判定の公平性をどうやって調べればいいでしょうか。逆に不公平な判定を考えてみると、一番思いつくのはストライクをボールと言ったりボールをストライクを言ったりすることではないでしょうか。

ということで、ホーム・ビジターのチームそれぞれについて三振や四球の数を調べてみましょう。もし審判が不公平な判定をしているとすれば、

  • 三振はビジターのチームが多く
  • 四球はホームのチームが多く

なっているはずです。

それだけではつまらないので、もう少し深く考えてみましょう。三振には二種類あります。空振り三振と見逃し三振です。このうち審判の裁量が大きいのはどちらでしょうか。見逃し三振です。なぜなら、空振りは冷静に考えてどう見ても空振り(ストライク)なのに対して、きわどいボールを審判がストライクにすることやその逆は可能だからです。

すなわち、審判が不公平だとすると、見逃し三振についての方が空振り三振よりも不公平になっているはずです。ここまで全て私の思い込みの可能性もありますが、この世界の存在も、皆さんが人間型のサイボーグでなく心を持った人間だということも私の思い込みの可能性があるのでしょうがないとします。

四球についてはどうでしょうか。四球と似たイベントに死球があります。これについても、死球より四球の方が審判の影響が大きいはずです。

ついでに、もう一つ別に分かりやすい例として、盗塁成功数と盗塁失敗数についても調べてみましょう。

計算

話がややこしくなってきましたが、結局やることは以下です。

1990年から2016年までのすべてのMLBの試合について、

  • 見逃し三振と空振り三振
  • 四球と死球
  • 盗塁成功と盗塁失敗

の数をホームとビジターのチームそれぞれについて調べることにより、審判の判定が公平か不公平かを調べます。

すべての試合について足すことにより、原理的にはホームチームとビジターチームの戦力は同じになるはずなので、審判が公平ならば三振や四球の数も同じになると仮定します。

いつも通り、python/pandasでretrosheetのデータを調べました。 コードは以下ですので、興味がある人は見てみてください。


結果

とりあえず、1990年から2016年までのすべてのイベントの数をホーム・ビジターに分けて見てみます。同時に、イベントごとにホームチームの数字が占める割合を示しています(50%なら完全に公平)。

ホーム ビジター ホームの割合 [%]
四球 178632 162916 52.3
死球 18906 17736 51.6
見逃し三振 92958 98032 48.7
空振り三振 249356 256051 49.3
盗塁失敗 11177 11488 49.3
盗塁成功 32886 30532 51.9

なるほど〜。これを見ると、

  • 有利なイベント(四球・死球・盗塁成功)はホームの方が多く
  • 不利なイベント(見逃し三振・空振り三振・盗塁失敗)はビジターの方が多く

なっていますね。

しかも、最初に予想したように審判の影響の大きそうなイベント(死球よりも四球、空振り三振よりも見逃し三振)の方がより不公平な側に振れています。これは、審判の判定が不公平と言って良さそうです!(!で強調すると根拠が薄くても押し切れるという手法)

次に、年ごとに不公平度が変化しているか調べましょう。各イベントのホームチームの割合をプロットしてみました。

まずは三振と四死球から。

ほう。特に傾向はなく、毎年コンスタントに不公平になっているっぽいですね(ちゃんとした解析の仕方がわからない)。


次に、盗塁・盗塁死について。

ほう2。特に傾向はなく、毎年コンスタントに不公平になっているっぽいですね2(ちゃんとした解析の仕方がわからない2)。

まとめ

MLBの試合では一般に三振や盗塁死はビジターのチームの方が多く、四死球はホームのチームの方が多くなっています。もちろん、球場に慣れている云々もまったくないとは言えませんが、普通に考えると審判の不公平な判定の影響が支配的な気がします。 さらに、空振り三振よりも見逃し三振、死球よりも四球(つまり、いずれも審判の影響がより大きいイベント)の方が不公平度が高いことも、審判の判定の不公平性を示唆しています。

気が向いたら、この不公平性が勝率に与える影響とかも考えたいと思います(気が向かない可能性が99.7%くらい)。

以上、よろしくお願いします。